好きな映画
映画、そこそこ好き。
以前の記事で『時間がいっぱいあったときは映画もたくさん見ていた』と書いたのだが、地上波深夜の枠とBS2の映画枠に放送したものの中で気になったものしか見ていなかったので大分と偏っている。*1
主にアクション・サスペンス・ミステリー・コメディを見ていたのだけれど最近気づいたことがある。
私は『夜』の雰囲気が好きなのだと!
初めて『夜』が舞台の映画を見たのは『夜のピクニック』という作品だ。これは恩田陸氏の小説が原作の邦画である。
高校の全校生徒が80キロを夜通し歩く「歩行祭」中に主人公の女子があるクラスメイトの男子に声をかけると決意していたけれどなかなかきっかけが生まれない中、お互いの不自然な雰囲気を勘違いしたクラスメイトが2人をくっつけようと応援してくるが…という内容。
この作品は一晩友人と恋や将来について話しながらただ歩く…ただそれだけの話なんですがとても引き付けられたんですよね。*2
作中の2人の関係はある事情があってギクシャクとした不自然な雰囲気になっていたんですが、夜明けにそのギクシャクが解けるんですよ。ある事情というのは本編を見て頂きたいと思います。ノーネタバレ!
原作を読んだことはないので映画と比較してどうこう言えないのですけど、この作品の『夜』の雰囲気が好きなんですよね。
次に見たのが『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離-ディスタンス-』。上記の作品が青春ストーリーであるならば、こちらは孫うこと無きラブストーリーです。
この映画は、列車に乗り合わせた男女があるきっかけで意気投合し男性の目的地であったウィーンで女性が途中下車をして、ただひたすら他愛もない会話をしながら2人でウィーンの街を散策する、という内容。
男性が帰りの飛行機に乗るまでの14時間を、話し、店に入り、歩き、また話す、ただこれの繰り返しが続く。
夕暮れから夜になりそれでも2人は、歩いて、話し、また歩く。
もちろん日中のやり取りも素敵なのだが、夕暮れから夜、そして朝までの雰囲気が素敵過ぎて「なんという素敵な映画なんだ」と印象に強く残った。
それまで映画といえば、殴る・蹴る・爆発するといったアクション系のものばかり見ていたので、これは同じ映画というくくりでいいの?と思いましたね。
ラストは夜が明けて別れの時間なんですが、終わりを話すなんてこの映画にとってどれだけ無粋なことか!なので2人がどうなったこうなったとは申しませんが、気になったらぜひとも見て頂きたい。
とにかく陽が落ちてからの雰囲気が!雰囲気が最高なんで!!!
そして最後に『夜』が好きなのだと改めて実感したのが最近見た映画「ラン・オールナイト」だ。
殺し屋の主人公がある殺人事件を目撃し殺されそうになっていた息子を助けるため、自分のボスでもあり親友でもある人の息子を殺してしまい父子共々追われることになってしまう。マフィア・暗殺者・買収された警官・隣人など誰が敵かも分からない状況で夜のN.Y.を逃げる内容だ。
まったりと夜の時間が流れていくと前2作と違い、こちらはバリバリのアクション映画である。そんなジャンルで『夜』が舞台なのだ。ひりつく緊張感の中『夜』の時間が過ぎていく。
ラストはこれまた夜明けだ。息子を守る主人公と息子の復讐をしようとするマフィアのボス、最後がどうなったかはぜひ映画本編を!
草木も眠る丑三つ時という言葉があるが『夜』とは元来眠る時間、休息をとる時間なのだ。
そんな『夜』に人間同士の関係が変化する、昼間でも同じような作品は作れるだろうが雰囲気は全く別物になってしまうだろう。
上記3作品が『昼』を舞台にしていたら、ここまで好きにはなっていない。
これ以外に『夜』が舞台で雰囲気のある映画をご存知の方はいらっしゃらないだろうか、私の見ようかなと思う作品リストに追加しておきたいので何卒。